看護科のご紹介
岩手県立宮古病院総看護師長 杣 智子
当院は,圏域の基幹病院として、二次救急医療・がん治療・周産期医療等の専門医療や感染症指定病院としての役割や機能を持った病院です。そして「地域の皆様の健康と命を守る」ことをめざし、看護科も取り組んでおります。
PNS看護提供体制により、パートナーシップマインドの醸成を図り、働きやすい職場・働き続けられる環境作りのため、「効率的な業務改善活動」「子育て・介護世代の職員への支援活動」を行っております。
看護科職員のキャリア形成支援については、看護科職員ひとり一人が持てる能力を最大限に発揮し自ら活躍できる人材となれるように、継続教育体系に基づいた研修を実施しております。
看護科の理念「地域の皆様の心に寄り添い、その人らしさを大切にし、あたたかい看護を提供します」の元、地域の皆様に愛され信頼される看護科の実現のため、多職種及び地域の関係機関の方々と連携しながら、患者さんの医療と生活をつなぐ支援を「あたたかい手と目と心」持って提供してまいります。
看護科理念
地域の皆様の心に寄り添い、
その人らしさを大切にし
あたたかい看護を提供します
看護科の基本方針
- 人間性を尊重し、倫理に基づいた質の高い看護を展開します
- 地域及び職員間で連携し「医療」と「生活」をつなぐ支援をします
- 科学的根拠に基づいた看護が提供できるよう自己啓発します
- 働きがいのある職場環境をつくります
- 地域医療を持続的に提供できるよう積極的に病院運営・経営に参画します
看護提供方式
PNS®(パートナーシップ・ナーシング・システム)を平成26年1月から全病棟に導入しました。
教育目標
県立宮古病院は1人ひとりの看護職員が専門職業人として「臨床の看護実践に強い看護師」の育成を目指しています。
教育の概要
個々の看護職員がキャリアアップしていくようにキャリアデザインを描きながら、個人の目標を明らかにして一人前の看護師、さらにジェネラリスト、スペシャリストとして段階的にステップアップできるよう教育を行います。
クリニカルラダーの体制
キャリアデザインに応じた魅力ある研修を企画して自己研鑚ができるように研修を企画しています。
新人看護師教育体制
新人看護師の教育体制として看護方式PNSを取り入れ、各部署にクリニカルコーチを配置し、先輩看護師(フレッシュパートナー)が新人とペアになりチームで連携し新人の知識・技術の習得状況を把握支援します。先輩看護師と一緒に患者さんのケアを実践し、熟練した手技を学ぶことが出来、新人看護師のOJTに繋がり、新人・後輩の育成に繋がっています。
新人看護師研修風景
看護師復職支援
- 結婚・出産などで現場を離れていた。
- 家庭の事情で現場を離れていたので不安
- 宮古病院での交流研修を希望
やっぱり「看護」の仕事がしたい!
そんなあなたを支援いたします。
手術室・中央材料室のご紹介
手術を受けられる患者さんが、安全・安心・安楽に手術に臨めるよう、患者さんの気持ちに立った看護を行い、手術が安全に円滑に進むよう努めています。
予定手術から夜間・休日の緊急手術にも対応し、年間約1300件の手術を実施しています。
手術は、患者さん・ご家族にとっても大きなイベントです。そのイベントを安全・安心・安楽に臨んで頂けるよう、宮古医療圏の中核病院として専門性を高め、手術を担当する医師、麻酔科医師、臨床工学技士、放射技師といった多職種で互いに連携しながら手術チームとして取り組んでいます。
また、手術を受けられる患者さん・ご家族の思いに寄り添い、手術に対する不安を少しでも軽減できるよう、手術前・後に訪問を行い手術に関する様々な疑問・要望にお答えしております。
【稼働手術室数】
5室
【手術診療科】
外科 整形外科 脳外科 形成外科 産婦人科 泌尿器科
【看護職員数】
看護師 15名
看護補助者 2名
【令和5年 手術件数】
総手術件数 1342件
全身麻酔 659件
認定看護師の紹介
当院では現在、6分野7名の認定看護師が院内外で活動しています。医療の質向上に貢献するため、各分野でラウンド・多職種チーム活動を通して、専門的視点からより良い治療や患者の状態に適したケアについてのアドバイスなどを行っています。また、最新情報やケアについて情報提供ができるように、現場のニーズに沿った学習会開催や認定看護師通信を発行しています
感染管理認定看護師 吉川 百合江
感染管理認定看護師は、「患者さんやご家族、医療従事者など医療に関わる全ての人を感染から守る」という役割を担っています。
患者さんに安全で安心な療養環境を提供するために、医師・薬剤師・検査技師など多職種と協力しながら組織的に感染予防活動に取り組んでいます。また、感染症の予防と減少を目標に院内感染の調査や、感染予防に関する情報の提供、職員教育などを行い、最善の感染予防対策が実践できるように努めています。
がん化学療法看護認定看護師 長澤 末美
がんの治療法のひとつである抗がん剤を使用して行う治療を「がん化学療法」といいます。
「がん化学療法」を受ける患者さんとそのご家族が、病気と向き合い、自分らしい生活を送りながら、適切な治療を、苦痛が最小限に安心して受けられるように支援しております。
がん化学療法に関するご質問やご相談はいつでも受け付けております。お気軽にご相談ください。
摂食嚥下障害看護認定看護師 竹内 英晃
摂食・嚥下障害看護認定看護師として、さまざまな疾患等により食べることが難しい患者さんの食べる力・飲みこむ力を評価し、口腔ケアや訓練を行いながら安全においしく食べることができるよう看護を提供します。また、誤嚥性肺炎や低栄養、脱水の予防に対して看護の視点で関わります。
多くの方々の食べる楽しみや食べたい気持ちを大切にしながら自宅や地域で生活できるよう活動して参ります。お気軽にお問い合わせください。
乳がん看護認定看護師 古澤 優子 大矢 和希
乳がん看護認定看護師は、乳がんに関わるあらゆることへのご相談を担当させていただきます。診断されたとき、治療が始まる前、治療中、治療に迷うとき、生活との両立に悩むとき、治療が終わった後に体や気持ちがつらいとき、など、何でもご相談下さい。
患者さんだけでなく、ご家族の相談もお受けします。お気軽に声をおかけ下さい。
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 岩渕 枝里香
私の担当する分野は、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)を発症した患者さんを対象としております。CT・MRI画像や症状を基に病態を予測し、重症化しないように予防的ケアをスタッフと共に考え実践しています。
患者さんが持っている力を最大限にいかし、障害を持ちながらもその人らしく社会生活を送れるよう多職種と連携しながら患者さんやご家族の支援を行いたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
救急看護認定看護師 古舘 勇一
救急看護認定看護師とは疾病、外傷、脳血管障害、中毒など多種多様な疾病・外傷を有したあらゆるライフステージの患者さんとそのご家族に対処する看護を行います。現在は外来に所属し、質の高い救急看護、救急医療が提供できるように活動しております。院内の活動にとどまらず、地域への救急対応や心肺蘇生の講習会なども積極的に取り組んでいきたいと思っております。お気軽にご相談ください。
令和6年5月現在
外来
外来は1階と2階のフロアで構成され、月曜日から金曜日までの午前を中心に診療を行っています。月平均約9,000名の患者さんとそのご家族が安心して外来受診できるよう、看護職員は笑顔と挨拶で日々の診療に携わっています。
外来看護師は、各診療科の看護の他、内視鏡室、化学療法室、透析室での専門的な治療に関わり、患者さんが治療と生活を両立できるよう支援しています。また、専門の看護師がケアを行う、リンパ浮腫外来、フットケア外来、乳がん看護外来、助産師による助産外来、産褥外来など、患者さんの生活の質が改善し安心して生活ができるよう支援する看護外来も行っています。
入院が決まった患者さんには、入退院支援看護師が患者さんとご家族と話し合う場を持ち、入院から退院まで、そして退院後も外来で安心して療養できるよう看護を提供していきます。外来では、状況に応じてケアマネジャーや訪問看護師など、地域を支えるスタッフとの連携も行っています。
救急室では24時間体制で救命・救急処置にあたり月平均約700名の方が来院し、そのうち救急車での来院が月平均約250名となっております。宮古医療圏の救急医療を一手に担っております。
<看護外来>
フットケア外来では、専門医2名とフットケア研修を修了した看護師5名で糖尿病の患者さんに合併しやすい足病変の進行と悪化を予防することを目的にフットケアを行っています。具体的には足の状態に合わせて足をきれいにし、爪切りやタコ・ウオノメの処置を行っています。自宅でもお手入れができるよう足の観察の仕方や爪の切り方など患者さん個々にあったケアや指導もしています。皆さんの足を守るお手伝いをさせていただきます。一緒に大切な足を守っていきましょう。
リンパ浮腫外来では、手術後や静脈疾患によるリンパ浮腫の患者さんに対し、4つの治療法(スキンケア・医療徒手リンパドレナージ(マッサージ)・圧迫療法・運動療法)を用いて、医療徒手リンパドレナージ資格を取得したセラピストが治療を行い、リンパ浮腫の軽減をはかっています。日常生活が少しでも楽に過ごせるようお手伝いをさせていただきます。お困りの方はご相談ください。
病棟
3病棟
診療科及び病床数 54床
(脳神経外科23床、整形外科17床、形成外科6床、共用7床、放射線科1床、感染4床)
3病棟は脳神経外科・整形外科・形成外科・糖代謝内科の病棟であり、脳血管疾患・骨折・褥瘡・糖尿病などの患者さんが入院しています。
◆脳神経外科では意識障害や麻痺、自分の意思を表すことが困難な患者さんが多く、残存機能を活かしながら生活の再構築に向けた支援・看護を提供しています。
◆整形外科では地域連携パスを活用し、急性期から回復期まで継続した治療と看護が提供できるように努めています。
◆形成外科では褥瘡・皮膚潰瘍、熱傷などの身体の表面や形に関わる疾患の患者さんのケアを行っています。
幅広い病態・年齢の患者さんが入院しているため、個別性に合わせた医療が提供できるよう、医師・看護師・リハビリスタッフ・薬剤師・栄養士・地域連携室など多職種で情報共有し退院までの支援を行っています。
病棟スタッフ一同、毎日笑顔で元気よく、地域の皆さんに寄り添う看護を提供できるよう努めています。
4病棟
診療科および病床数 60床 【女性専用病棟】
(産婦人科22床、小児科14床、整形外科8床、外科2床、消化器内科5床、泌尿器科6床、共用3床)
産婦人科・小児科・泌尿器科・外科、整形外科などの女性患者さんが入院しているレディース病棟です。
海の見える病院でお産をしませんか?
産科
《院内助産 ふくくる》
医療設備の整った病院内で安全を確保し、助産師が寄り添い助産所のような家庭的な安心感のあるお産を提供します。お産の際、正常に経過した場合は医師の立ち合いはありません。里帰り出産の方で院内助産でのお産を希望される方は、妊娠32週までに紹介状を持参し、当院産婦人科外来を受診してください。
宮古病院ではアドバンス助産師が9名おります。
『アドバンス助産師』とは、一般社団法人助産師評価機構が認証した資格となっており、自律して助産ケアを実践できる能力をもっています。とくに院内助産、助産外来などで、その専門性を発揮することが期待されています。
4病棟では、妊産褥婦、新生児に対し、アドバンス助産師が中心となって、安全で、みなさんが満足できる助産ケアの提供を目指しております。
婦人科
婦人科では子宮筋腫・卵巣腫瘍などの疾患が多く、手術や化学療法などの治療を行っています。治療に伴う体や心の苦痛の緩和を図りながら援助しています。
小児科
小児科では喘息・胃腸炎・肺炎等疾患の子どもたちが多くいます。病気の子ども達はもちろん、親御さんや家族を含めた指導を行っています。入院生活を安全・安楽に過ごすことができるよう看護に最善を尽くしています。
レディース病棟
検査予定・手術前後・リハビリ期の患者さん、回復期や終末期の多数の診療科の女性患者さんが入院しています。患者さんが安心して療養し退院できるよう多職種との連携を図っています。
6病棟
診療科及び病床数 60床
(消化器内科30床、泌尿器科13床、一般内科4床、共用13床)
6病棟は、消化器内科、泌尿器科、総合診療科の混合病棟です。
消化器内科には検査や、内視鏡による特殊治療を行う患者さんが、泌尿器科には手術や検査、人工透析を受けられる患者さんが入院されます。総合診療科では、受診するべき専門診療科を特定できない発熱・倦怠感・体重減少・めまいなどを有する患者さんの検査・ケアを行っています。また、その他には化学療法や緩和ケアが必要な患者さんも入院されます。
予定の検査、治療を受けられる患者さんには、入院期間中の経過が分かるクリニカルパスを利用し、患者さんとご家族が治療に参加できるインフォームドコンセントを目指しています。
スタッフは毎日めまぐるしく働きながらも笑顔を絶やさず、軽快なフットワークで患者さんの入院生活を支え、日々看護ケアにあたっています。
7病棟
診療科及び病床数 55床
(循環器科30床、外科25床)
7病棟は、目標に「継続教育により質の高い看護と、患者家族に寄り添いその人らしさを尊重しあたたかい看護を提供します」「互いに協力し安心して働き続けられる活気のある職場と環境づくりを目指します」を掲げ取り組んでいます。
循環器内科は、急性心筋梗塞や狭心症、不整脈、心不全に伴う心臓カテーテル検査・治療やペースメーカーを用いた心疾患の治療を行う患者さんの看護を行っています。また、平成27年に結成したプロジェクトチーム「心不全減らし隊」は、宮古地区の心不全の再入院率を減少させるために活動しています。心不全手帳を活用し、患者・家族や地域で関わるスタッフへ自己健康管理指導を行っています。入院時から在宅復帰を目標に在宅医療・介護に円滑に繋げることができるよう関係職種と連携を図っています。
毎週行われる多職種による医療チームカンファレンスでは、専門的知識を持ちより患者さんの治療や退院支援について話し合いを重ね、患者・家族が希望するケアが継続できるよう検討しています。また、受け持ち看護師と医療ソーシャルワーカー、退院調整看護師が、地域との連携を図りながら、患者さんの要望に沿った退院支援を行っています。
外科には、主に消化器系・乳腺・鼠径ヘルニアの手術を受けられる患者さんが入院されます。 また、その他には化学療法や緩和ケアが必要な患者さんも入院されます。
予定の検査、手術を受けられる患者さんには、入院期間中の経過が分かるクリニカルパスを利用し、患者さんとご家族が治療に参加できるインフォームドコンセントを目指しています。
緩和ケアでは、緩和ケアチームと連携をとりながら、患者さんが安心・安楽な生活が送れるよう苦痛の緩和、嗜好に合わせた食事の相談などを、そして終末期にはご家族と共に過ごす時間を大切にできるよう看護を行っています。
透析室のご紹介
人工透析室
当院では開設以来、慢性腎不全患者さんにそれぞれの病状に応じた腎代替療法を選択し、治療を行っております。
患者さんが安心して治療を続けられるよう安全な透析療法の提供とセルフケア能力を高められるような指導を行っております。
令和5年度より腎臓内科も加わり、医師、看護師、臨床工学技士が一丸となって個々の専門性を活かし、安心で充実した医療を提供できるよう心がけています。
診療科 | 泌尿器科 腎臓内科 |
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透析ベット数 | 16床 |
職員数 | 医師 3名 |
看護師 5名 | |
臨床工学技士 4名 | |
透析種類 | 血液透析 |
血液濾過透析(オンラインHDF) | |
旅行透析 | 受け入れなし |
人工透析実績
令和5年度:人工透析実績 | |
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入院 | 1,133人 |
外来 | 6,398人 |
合計 | 7,531人 |
1日平均 | 24人 |
入退院支援部門
入院支援
入院前、患者さんに入院生活の流れなどを説明し入院に対する不安や心配事を確認し多職種(看護師、薬剤師、管理栄養士、事務職員など)で支援を行っています。
退院支援
入院中から退院後の生活を見据えた療養に関して、患者さんやご家族と共に一緒に考え支援しています。退院先の環境やその後の療養について他の医療機関、施設の情報などを提供し、主治医、病棟スタッフ、医療ソーシャルワーカーなどの多職種、ケアマネージャーなど院外の関係機関と連携しています。
PNS®(パートナーシップ・ナーシング・システム)とは
看護師が安全で質の高い看護を共に提供 することを目的に、2人の看護師が良きパートナーとして、対等な立場で、互いの特性を活かし、相互に補完し協力しあって、毎日の看護ケアを始め、委員会活動、病棟内の係の仕事に至るまで、1年を通じて活動し、その責任と成果を共有する看護提供方式